ストーカー。

僕が自宅マンションの廊下を自室に向かって歩いていると

僕の部屋の斜め前の部屋の玄関横に若い女性が立っていた。

特徴のないごく普通の女性だ。

連れが部屋から出てくるのを待っているのかな、と思ったのだが

何となく違う気がして、思わず

「大丈夫ですか?」

と声をかけてしまった。親切というほどのこともない、何気ない一言だ。

女性はにっこり笑うだけで言葉は発しない。

僕は、大丈夫なんだ、と受け取り女性を背に自室のドアを開け中に入った。

そして、、内鍵をねじろうとした瞬間、それは起こった。

ガチャガチャと外からドアを開けようとするものすごいチカラ。

ほんの刹那、僕が鍵をしめるのが速かったおかげでドアは無事閉まったのだが

まだドアノブは今にも壊れんばかりに軋み音をあげ動いている。

恐怖と戦いながら僕は覗き穴から外を見た。そこには

自分の乳房をわしずかみにした、さっきの女性がいたのだ。

僕はすぐさま警察に電話をかけに部屋の奥に駆け込み、震えながら何とか通話に

意識を集中しようと努力した。



悪夢だ。


自分の住所などを伝えているその時、突然玄関は静まりかえった。

僕の意識は恐怖のあまり既に朦朧としており、電話の向こうの警察に

応対することも忘れ、ふらつきながら、玄関の方を見た。


掛けたはずのチェーンキーが外れているではないか。そして内鍵は閉まっている。

外れたチェーンキーはまだ揺れている。


まさか。

僕は、恐る恐る玄関の正面に位置する2階への階段を見上げた。

そこには、さっきの女性が、ニヤニヤしながら立っており、その顔は

階段手摺りに下半分隠れてはいるが、確かにニヤニヤ笑っていたのだ。

僕はすぐさま、動悸と足のふらつきと戦いながら廊下に出て叫んだ。

「...とゎーすくえーとぅえー...」

助けて、と言いたいのに声が出ない。テープが遅回しになったかのような

口の動きしかできないのだ。

階段をニヤニヤしながら降りてくる女性......。



という、すんげー怖い、超リアルな夢を、数日前に見てしまいました............。
前世の記憶かも...........。(マツオカ)